劣化のサイン

劣化のサイン

「建物にもアンチエイジングが必要です。」


健康寿命」という言葉が浸透して久しいですが、
快適な老後の実現には日頃からの健康管理が不可欠なように、建物の健康寿命を延ばすためにも定期的な点検・修繕という「建物管理」が欠かせません。

これも最近よく耳にする「未病」という言葉。
これは病気になってからではなく、「病気になる前の治療こそが重要」だということ。
建物も定期的な点検をすることで、後手の修繕(事後保全)ではなく先手の修繕(予防保全)が可能となり、結果的に建物の健康寿命を延ばすことに直結します。
劣化のサインにいち早く気づき、症状が軽いうちに対処していくことが、
修繕費の大幅な削減や、建物を安全・健全な状態で長生き(長持ち)させる事に間違いなく繋がるのです。

「気づいていますか?建物が劣化のサインを送ってる事に。」

建物には様々な不具合が発生します。その原因は多様で、一概には申せません。

しかし、一つだけ確かなことがあります。
それは、建物が「劣化のサインを私達に送っている」ということです。
繰り返しますが、そのサインにいち早く気づき、対策を行うことが建物の今後を大きく左右します。

以下に良くある劣化の一例をまとめました。
該当する症状がございましたら、早期の修繕実施を強くお勧めいたします。

【緊急度の表記について】
劣化の具合を3段階の★で表示しています。星の数が多いほど緊急性が高い劣化となります。

(※写真はあくまでも参考です)
 

【記載の内容について】
外壁塗装、防水工事になじみの無い方にも概要を分かっていただきたい為、極力簡潔に記載したつもりですが、難解な記述もあるかと思います。
こちらに記載の無い症状や、より専門的な内容等については別途お問い合わせ下さい。

タイズリフォーム

チョーキング

緊急度 :★

外壁をなぞると、チョークの粉の様なものが付着する現象をチョーキング(白亜化)と呼びます。
塗膜(塗料を塗って完成する膜)に含まれる顔料(色の成分)が粉化したもので、見た目が悪いだけではなく、塗膜が持つ建物保護機能が失われている証です。

この状態のまま放置しておくと、いずれは保護機能を完全に失い、建物は劣化の進行を急速に早め、さまざまな不具合を発生させるため、「塗り替え実施を検討する判断材料の一つ」となります。

タイズリフォーム

コンクリートの中性化

緊急度:★★
コンクリートやモルタルは強いアルカリ性(PH12~13)を有しており、これが鉄筋の廻りに特殊な被膜(不動態被膜)を生成することで錆びない状態を保っています。

しかし、大気中の二酸化炭素が少しずつコンクリート表面から侵入することで化学反応が起き、内部に向かってアルカリ性が失われる現象が発生します。これをコンクリートの「中性化」と言います。
中性化部分が鉄筋表面に達すると不動体被膜が破壊され、鉄筋が錆びやすい状態となります。

コンクリートに塗装や防水を行う目的の一つにこの中性化の遅延があります。
上記の理由により、左官補修や塗装仕上げを行わない「打ち放しコンクリートはこの中性化現象が進行し易い」と言われています。

タイズリフォーム

ひび割れの発生

緊急度:★★
コンクリートやモルタルには様々な原因で「ひび割れ」が発生します。ひび割れの全くないコンクリート建造物は皆無と言っても過言ではありません。

ひび割れの補修方法はどれも同じではなく、発生部位・幅・長さ・深さ等によって工法や使用材料が変わります。

また、髪の毛の幅程度の軽微なひび割れ(0.3mm程度)からもコンクリート構造物を劣化させる様々な因子(水分・二酸化炭素・酸素・塩分等)が侵入するため、発見次第可能な限り早期に補修を行うことが望ましいです。


タイズリフォーム

モルタル浮きの発生

緊急度:★~★★★
モルタルとは、一言で申し上げると「セメントに水と砂を混ぜたもの」です。モルタルにバラスと呼ばれる小石を入れるとコンクリートになります。

モルタルは、主にコンクリートの補修用として使用されますが、様々な理由で「浮きや剥がれ」が発生します。

見た目は問題なさそうな外壁でも、打診検査を行うと、モルタルが浮いてコンクリートとの間に隙間が生じることで「パカパカという異音」がすることがあるため、注意が必要です。

また、屋上や手摺壁上部には、笠木(かさぎ)と呼ばれるモルタル製の水切り材が設置されていることがありますが、劣化が著しく進行すると、剥落し大事故に至る場合があります。


タイズリフォーム

エフロレッセンスの発生

緊急度:★★
エフロレッセンスとは、コンクリート中の可溶成分を含んだ溶液がコンクリート内部から表面に移動し、乾燥に伴って水分が蒸発することで、コンクリート表面に濃縮し、これが空気中の炭酸ガスと統合することによって、コンクリート表面に沈着した『白色の物質』のことを言います。
「白華」や「鼻垂れ」とも言います。

エフロレッセンス自体がコンクリート構造体に悪影響を与えることは少ないですが、発生している箇所には少なからず「水の通り道」があるため、写真のようにエフロが発生しているタイル面を打診すると浮きが併発していることが多いです。

タイルやモルタル面の浮き範囲が大きくなると、自重を支えきれなくなるため「剥落」のリスクが高まります。

タイズリフォーム

天井コンクリートの爆裂

緊急度:★★★
中性化の進行やひび割れからの浸水等が原因で鉄筋が腐蝕膨張するとその圧力によりコンクリートが押し割られます。この現象を「爆裂」と言います。

写真は住戸の天井裏の状態ですが、屋根コンクリートが爆裂し、天井裏に多くのコンクリート片が散乱していました。
過去には、全国各地で爆裂によるコンクリート片剥落により死傷事故も多数発生しています。
爆裂の改修は非常に難しく、多額の費用を要します。

このような状態に至る前の予防保全や定期メンテナンスが重要であることは申すまでもありません。

タイズリフォーム

手摺支柱廻りの爆裂

緊急度:★★★
写真はアルミ手摺支柱廻りのコンクリート爆裂です。
複数箇所に爆裂が発生しており、このまま放置するとコンクリート片の剥落だけではなく、支柱自体を固定することができなくなり、最悪の場合、人命に関わる大事故に至る恐れがあります。

手摺支柱廻りは劣化が進行し易く、修繕も非常に難しいため、「使用材や工法の選定には細心の注意が必要」となります。


タイズリフォーム

シーリングの劣化

緊急度 :★★~★★★

シーリング(sealing)とは防水性や気密性を高めるために、建物の隙間等に弾性のあるゴム状の防水材を充填することを言います。
写真はガラスブロック廻りのシーリング材が劣化している様子です。経年劣化によりシーリング材が硬化し、ひび割れや剥がれが発生すると室内への「漏水事故」のリスクが高まります。

建物の様々な箇所に施工されているシーリング材ですが、窓廻り等であれば比較的容易に確認する事ができます。

点検項目として、シーリング材にひび割れや、切れ隙間等はないか、指で押すとゴムの様な弾力があるか等を定期的に確認し、必要に応じてメンテナンスを行う事が重要です。

タイズリフォーム

鋼管継手部の発錆・腐蝕

緊急度 :★~★★★

建築物に用いる管材には、マンション等を中心に腐蝕に強いステンレス管や樹脂管が使われ始めていますが、鉄を原料とした配管(ライニング鋼管)を用いている建物もまだまだ数多くあります。

管内部にビニールコーティングが施された耐候性が高い管なのですが、継手という部材には管同士を接合するための「ネジ切り部」があり、ここが腐蝕して漏水が発生したり、破断することが多々あります。
断面形状が複雑なネジ切り部に通常の塗装を行っても直ぐに錆が発生します。
弊社には長期に亘り錆の発生を抑える独自の「防錆塗装技術」があります。

タイズリフォーム

貯水槽内の汚損

緊急度:★★★
最近は、水道直結方式の住戸やアパートも見られるようになりましたが、貯水槽(受水槽や高架水槽)がある建物はまだまだ多いです。
一定規模の建物には、定期的な貯水槽の清掃が義務づけられていますが、写真のように全く実施されていないことも非常に多いです。

また、戸建住宅でも鉄筋コンクリート製水槽の蓋廻りや上面から雨水等と共に汚染物質や害虫等が混入していることもあるため、定期的なチェックが必要です。

タイズリフォーム

避難ハッチの機能不良

緊急度:★★★
建物は火災等が起きた時に、一方の経路が塞がれてしまうと、避難をすることができなくなってしまい、一大事に至ります。
そのため、一定規模のアパート等では「2方向避難」という考え方のもと、バルコニーに避難ハッチや緩降機を設置します。
しかしながら写真のハッチは、鉄板で蓋をされていました。

外壁塗装やバルコニー防水と同時に工事を実施すれば、仮設足場が利用できるため、居住者様の立ち合いも無く、効率よく経済的に取替を行うことが可能です。

タイズリフォーム

バルコニー隔板の機能不良

緊急度:★★★
火災等の緊急時に隣戸へ避難できるために設置されているものです。
パーテーション」とも呼ばれます。
消防法では、「隣接するバルコニー等が隔板等によって隔てられている場合にあっては、当該隔板等が容易に開放し、除去し、又は破壊することができること 」とあります。

つまり、「緊急時には蹴破って破壊することが可能でなければならない」のですが、写真のアパートでは丈夫なベニア合板が設置されていました。

当然ながら、避難経路である隔板廻りへの造作や物置設置等は違法行為となります。










タイズリフォーム

自動火災報知設備の劣化

緊急度:★★★

自動火災報知設備(自火報)とは、感知器を用いて火災により発生する熱や煙を自動的に検知し、受信機、音響装置を鳴動させて建物内に報知することにより、避難と初期消火活動を促す設備のことです。
アパートの延床面積が500㎡を超えれば、消防法で定義する自動火災報知設備、500㎡未満であれば住宅用火災警報器を設置し、確実に機能させなければなりません。

アパート火災における死亡原因のトップは「高齢者の逃げ遅れ」です。不特定多数が居住する共同住宅では最も重要視しなければならない設備と言えます。

また、一定規模の建築物には法令で消防設備点検を定期で実施(年2回)し、行政に報告する義務があります。
この実施を怠り、万が一人災が発生した場合は所有者並びに管理者が相応の責任を負うことは申すまでもありません。


タイズリフォーム

照明器具の劣化

緊急度:★

一般的に照明器具の寿命は、10年程度と言われています。特に屋外に晒される器具は屋内に比べ過酷な環境にあるため、劣化が進行します。
外壁塗装を行う際には、下記の理由により「LED照明へ取替」をお勧めしています。
1、LED電球は白熱電球に比べ高寿命なため、中長期的には経済的である。
2、足場が設置されているため、普段入ることができないバルコニー照明が外部から安全に取替できたり、高所に設置された照明器具の電球取替に伴う転倒リスクや負担を大幅に減らせる。

3、一般的にLED照明器具は小型化されているため、塗装後に取替を行うと、壁天井の未塗装跡が露見するが、同時実施の場合はその心配が無い。

写真のように防滴カバーが破損したり錆が酷くなると、漏電事故や壁面の錆汁汚損が発生する場合があります。


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